矮小(ちいさ)く惨(みじ)めに生きた生命が
死んではドアを叩(たた)くでしょう
小さな主(あるじ)は見かねる 「嫌な話だ」
大きく拡(ひろ)がる 喉(のど)と胴体(どうたい)は
死んだ心を 溶(と)かす様に
ゆっくり命を 飲み込み
目を刳(く)り貫(ぬ)く
ねぇ、君も祈(いの)っちゃったんでしょう?
僕に睨(にら)まれた時にさ
そんな悲壮精神(ひそうせいしん)が 大好物だ
ようこそ、我が胎内(たいない)へ
愛とエゴの終着点(しゅうちゃくてん)
君もすぐに 生まれ変われる
怪物(かいぶつ)みたいで 素敵(すてき)なことでしょう?
「あぁ、神様、なんで」って
「もう嫌だよ」と泣いたって
受け入れろよ これが運命(さだめ)だ
次の次の次の主(ぬし)に懸命(けんめい)しよう
神話も命も人の運命も
うっかり恋に落ちるのも
ひっそり蛇(へび)は笑い出す
「馬鹿(ばか)な事だ」
あぁ、なんだいなんだい もう溜(たま)らないね
くすんだ心を 舐(ねぶ)るのは
小さな命に取り付き
目を埋(う)め込む
あぁ、君に宿(やど)っちゃったんでしょう?
目を合体させる(あわせる)運命(のうりょく)がさ
君がこの悲劇(ひげき)の 「女王」なんだ
謳歌(おうか)しろよ生命よ
愛とエゴの合掌祭(がっしょうさい)
揺(ゆ)れる日々も崩(くず)れ始める
「始めの悲劇(ひげき)」へ足並(な)み合わせて
「返して」と嘆(な)いたって
「もう嫌だよ」と哭(な)いたって
知ることかよ それが運命(さだめ)だ
酷(ひど)く脆(もど)くちゃちな物語(ひび)が 正銘(しょうめい)だろう
なんて馬鹿な生命だ
何度でも 抗(あらがえ)って
同じ話(ひび)へ逆流(もど)り始める
無謀(むぼう)に 無様(ぶざま)に
泣いて、哭(な)いて、啼(な)いて、綯(な)いて
あぁ、無様(ぶざま)な生命よ
「なんで?」だのと言う前に
求め過ぎた 罪(つみ)に傅(かしず)け
虚(うつ)ろな奇跡(きせき)が 弾(はじ)けて崩(くず)れて
「もう、なんだか良いや」って
何度もただ泣いたって
終わりすらも 直に薄(うす)れる
次の次の次に来る
次の次の日を
次の次の次も嘲笑(ちょうしょう)しよう