通い(かよい)始めた≪坂道≫(みち) まだ肌寒い≪潮風≫(かぜ)
揺らした≪後髮≫(かみ)が あなたの≪頭≫()を撫でる
掛け替え(かけがえ)のない 温もり背中に 感じながら……
遠ざかる笑顔に手を振りながら 誰もが今日を生きる
もう泣かないわ また春が来る……
通い(かよい)慣(な)れた≪坂道≫(みち) 微笑むような≪木漏れ陽≫(ひざし)
地栗鼠(ちりす)と≪戯れる≫(あそぶ) あなたの≪頭≫()を撫でる
掛け替え(かけがえ)のない 温もり手の平に 感じながら……
失った隙間(すきま)を埋め合いながら 誰もが明日を生きる
それでも変わらない 愛を求め……
病(やまい)に倒れた母が逝く… その様(さま)を… 父と二人見送った… 長い永い夜…
荒(あ)れた冬の海に父も逝き… 亡骸を… 一人見送った……
空虚な季節の中… 私は閉じていた…
歪な蒼い貝殻(かいから)のように……
悲しみxn
(悲しみは 繰り返す
波の音色に *似たしなれて(?)
優しい人達 流す涙
孤独の色に 寄り添えぬまま
乾く隙間を彼が舐めた 獣(けもの)にも似たギラつく眼(め)で
優しい声色(こわいろ) 赤い夕陽(ゆうひ)
滲(にじ)んでいたけど 全てを許した
嗚呼… 燃え上がる花は咲き乱れ
夜の果てに散った…
二人の――
朝陽(あさひ)を裏切り(うらぎり)彼が逝く… その事を… 誰が… 誰が見送った? 暑い熱い夜…
さよならも言えず残された… 季節の中… 一人… 唯… 独り……
今にして思えば あなたは既に(すでに)≪私の胎内≫(ここ)にいた?
独りじゃない 私の家族 もう二度と喪(うしな)いたくないっ!
(「もう一度信じて見よ!」)
あなたが居たから 私は≪人生≫(くらやみ)に
≪希望≫(ほし)を見つけて 生きてこれた My Dear
この≪灯火≫(ひかり)失ったら きっと私
ダメになっちゃう 堪(た)えられない……
あなたが高熱(こうねつ)を出した嵐の夜 本土(ほんど)に電話を掛けてくれたのは
あなたを産(う)むことを頑(かたく)なまでに 反対してた人達でした
そ し て
嵐の夜なのに小さな漁船(ぎょせん)を出して 危険(きけん)も顧(かえり)みず助けてくれたこと
その想いに応えてくれたお医者様は
≪≫(しろひげせんせい)だけでした――
柳(やなぎ)の樹皮(じゅひ)に解熱作用(げねつさよう)があるって 識(しき)っていたかい?
(「ほらっ!」「Yuck!」「w」)
(「だが、)これなら苦くない≪最新の医薬品ッ≫(aspirin)!
≪あの時の魔法のお薬≫(aspirin)? (「Yes!」)
(NOW ON SALE)
それからの私は 先生の≪突貫診療所≫(もと)へ
通う(かよう)内に 身の回りの お世話を始めた……
ゆらゆら揺らめく
≪≫(Business)と
≪≫(Status)と
≪≫(Private)
目の前の≪≫(いのち)の天秤(てんびん)
「何の為に この道を選んだ?」
嵐の夜に そう問(と)われた気がした……
(「もう一度信じて見よ!」)
嗚呼… 海を見つめる≪瞳≫(め)が… 時折… 不意に遠くなる…
この人も… 胸の奥に…
悲しみを… 抱いているんだ……
それは… 私には分かち合えない… 重い荷物(にもつ)なのでしょうか?
「好き」
その一言(ひとこと)が言い出せず閉じた… 唇は貝のように……
私の愛した人達はみな 私の前からいなくなった
それでも私は この【第九の現実】(せかい)と
向き合うことから 逃げ出さないわ
だから もう少しだけ 神様
≪本当の勇気を得るまでの猶予≫(じかん)をください