言葉は風に流れ流れて何処へ。
街は迷子に素知らぬ振りで応えて。
僕はと言えば滲む視界の片隅、
誰かを求めることすら出来ないんだ。
千切れ雲が赤く染まる17時は、
世界が消えて失くなる兆しの様で、
僕は心が充ちゆく音に溺れて、
束の間、独りだってことを忘れるんだ。
君は思い知ったって言う。ずっと一人なんだって泣く。
何も出来ない僕は一緒になんている資格もなくて、
君の言葉を風に溶かして、街に紛れるんだ。
夜は待っていた。回っていた。不条理な日々の終わり。
嘲笑っていた。解っていた。味方など何処にもいないさ。
僕は待っている。まだ、待っている。必要とされる世界を。
哀に生きる。
偽りの光に人は心惑い、足元広がる影から目を逸らして、
ばら撒かれた幸福を意とも容易く貪りながら、
ああ、不幸だって嘆いているんだ。
君は辛くはないって言う。全部頑張ったって泣く。
不意に強く吹いた南風が僕に届けた、君の涙と君の体温を、
精一杯抱きしめたんだ。
夜は待っていた。回っていた。不条理な日々の終わり。
嘲笑っていた。解っていた。味方など何処にもいないさ。
僕は待っている。まだ、待っている。必要とされる世界を。
哀に生きる。
夜は待っていた。
君が待っていた、
僕は待っている、必要とされる世界を。
哀に生きる。