肩まつわる夏の終わりの風の中
祭りばやしが近づいてくる
ちょうど去年のふたりで二階の
窓にもたれて祭ばやしを見ていたね
けれど行列は通り過ぎて行ったところで
後ろ姿しか見えなくて残念だった
後で思えばあの時の赤い山車は
私のすべてのまつりの後ろ姿だった
もう赤い花がゆれても
今年よく似た声をかき消すまつりの中
信じられないおまえの最後を知る
ねむり始めたお前の窓の外
まつりばやしは静かにあでやかに通り過ぎる
もう赤い花がゆれても
人はだれでもまつりの終わりを知る
まつりばやしに入れなくなる時を知る
眠り続けるお前よ私の所へは
まつりばやしは二度とは来ないような気がするよ
もう赤い花がゆれても
もう赤い花がゆれても
もう赤い花がゆれても
（END）
