いつだって僕は 君の髪の毛を撫でたいと思った
その声はいつか消えてしまうからさ
明日の世界がまた少し近づくたびに僕は
残された今日を感じ くしゃみをする
照りだした太陽 逃げ水で濡れた道路を歩いた
不思議なくらいの静けさに塗れて
過ぎ去ってしまった日々は二度と戻らないと知った
あの日の記憶も 遠く触れないまま
何を悲しむことがある? これほど明るい陽の射し込む場所で
何を疑うことがある? 隣にいつも君がいるのに
生きていけば今 生きていくほど
さわれないものが増える
何も手に入れちゃいないのに
失くしていく気がするんだ
どうして
いつだって僕は 君の髪の毛を撫でたいと思った
その声はいつか消えてしまうからさ
「明日の世界も同じように生きていられるのかな」
蜃気楼の中で昨日の僕が言う
何を怖がることがある? 奪いも与えもできない癖に
何を求めることがある? 隣にいつも君がいるのに
近づけば今 近づくほど
知らない君が増える
何もいらないさ いらないのに
物足りない気がするんだ
どうして
どんだけ確かめてみたって
どんだけ呼びかけてみたって
いつだって君はそこにいて
微笑んでくれるのに
僕たちが生きるここは今
失望で満ちているだなんて
そんなこと言いたくはないんだ
それだけさ 本当さ
生きていけば今 生きていくほど
さわれないものが増える
何も手に入れちゃいないのに
失くしていくとしても
生きていけば今 生きていくほど
愛おしい今も増える
何も手に入れちゃいないけど
失くせないものがあるんだ
ミラージュソング